エンジンオイルとは??
エンジンオイルは、エンジン内部の潤滑を目的とした潤滑油です。現在のエンジン(内燃機関)を正常に動作するには欠く事ができない重要な構成要素となります。
エンジンオイルの役割(基本的な性能)
シリンダー内部を高速で機動するピストンと内壁部の金属接触を油膜により防止・潤滑するエンジンオイルの最も基本的な性能です。
ピストンとピストンリングの隙間を油膜が埋めることにより、エネルギー効率を高め、ガスの吹き抜けを防止します。
シリンダー内部を高速で機動するピストンと内壁部の金属接触を油膜により防止・潤滑するエンジンオイルの最も基本的な性能です。
カーボンやスラッジ等のエンジン内部の汚染物質を分散しフィルターにより濾過する事により、エンジン内部への汚れの固着を防止し清浄に保つ性能です。
金属表面へ付着し、水分や酸素、有毒ガスなどとの直接の接触を防止する事により錆の発生を防止します。
潤滑部局部に掛かる応力を受け止め衝撃を吸収して力を分散させる。
燃焼に於いて発生する酸化ガスを中和して腐食を防止します。
過酷な条件下に於いて使用される為に熱や大気によるオイルの酸化劣化を防止する性能です。
※1~6はエンジンオイルに潤滑油として求められる性能で、7~8はエンジンオイルのオイルとしての性能です。
エンジンオイルの製品表示と規格
米国自動車協会(Society of Automotive Engineers, Inc.)が制定したオイルの粘度分類に基づく粘度表記です。
5W-20、10W-30などと表示し、Wは低温時の粘度を表します。(WはWinterを表す)この値より、どの程度の外気温で使用できるかが判断できます。数字が小さいほど軟らかいオイルで、始動性が高いオイルとなります。
W-の後に記載される20や30などの数字は、高温時の粘度を表し、数字が大きいほど高温時の粘度が高く油膜が切れにくいため、ターボや高回転運転をされるのに最適です。近年は省燃費性が重要になり、低粘度オイルの需要も増えてきています。
API(American Petroleum institute)の分類に基づく規格表示で2番目のアルファベットが大きくなるにつれて品質が良くなります。最新のSP規格では、新規追加試験とより厳しい規格化により、SN規格より下記のような点で性能向上が見込まれます。
・LSPIは主に直噴ターボ車に発生し、ノッキングやひどい場合はピストンに損傷を与えてしまいます。
・伸びが発生すると、バルブ開閉の同期タイミングが取れなくなります。
規格の頭文字のS は火花点火機関(Spark Ignition Engine)の頭文字を 取ったものでガソリンエンジンオイルについての規格です。 Cは圧縮点火機関(Compression Ignition Engine)の頭文字で ディーゼルエンジンオイルについての規格です。近年省燃費、省資源性対応の為、新しいエンジン用により低粘度なFA-4 規格が追加されました。
ILSAC(International Lubricant Standardization and ApprovalCommittee :国際潤滑油標準化承認委員会)を略したもので ”イルザック”と読みます。最新規格はGF-6でAPI規格に加え、省燃費、省資源性に関する、より厳しい試験をクリアーしなくてはなりません。
二輪車用2サイクルエンジンオイルは下記のようにFA~FDに分類されます。
クラッチ摩擦特性試験の結果によりMA、MA1、MA2、MBの4種類に分類されます。