水溶性切削油とは??
水で希釈して使用する加工油のことです。この希釈された油剤をクーラントとも呼びます。加工を行う際に工具と被削材の摩擦を低減する潤滑効果を得る為に使用します。また、下記の効果を得るためにも使用します。
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水溶性切削油剤の特徴
■ 引火点がない
水溶性切削油は水に希釈して使用するため、引火点がなく、火災のリスクを低減することができます。
■ 腐敗するため、定期的に管理することが必要
水溶性切削油を希釈したクーラントは、希釈されてから時間が経過すると、下の図のような反応を起こします。その結果、クーラントは、腐敗し、油剤性能の低下や悪臭を引き起こします。このため、定期的に更液することや、殺菌剤を投与するなど、管理が必要となります。
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水溶性切削油は、以下の成分で構成されております。
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水溶性切削油の種類
水溶性切削油には以下のような種類があります。
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鉱油や脂肪油などの油性成分を主成分とし、界面活性剤や水などを加えて安定 化させた油剤。原液を希釈して使用し、希釈液は乳白色を呈する。
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鉱油や脂肪油などの油性成分を主成分とし、界面活性剤や水などを加えて安定化させた油剤原液を希釈して使用し、希釈すると外観が透明または半透明になるもの。
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水に溶ける成分のみで構成されている油剤。希釈液は透明である。
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これらの各種の水溶性切削油の性能を比較すると以下の表のようになります。
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水溶性切削油と不水溶性切削油のメリット、デメリットの比較
水溶性切削油と不水溶性切削油を比較すると以下の性能の差があります。
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原液、希釈液ともに引火点があると、消防法の危険品に該当するため保管等の数量に制限がかかります。また、火災の際に引火のリスクが上がります。
水溶性切削油は、クーラントの状態で時間が経つと腐敗し、菌が繁殖及び腐敗や本来の油剤の性能の劣化を引き起こします。
加工部品と工具との摩擦を低くし、工具及び加工部品にかかる力を低減し、工具の保護や加工をしやすくする性能です。
加工時に被削材および工具から発生する熱をクーラントが接触することにより吸熱し、工具の保護及び被削材の保護を行います。